タスマニアの自然
タスマニアの地理
オーストラリアの6つの州のうちのひとつタスマニア州は、オーストラリア南東部にある北海道より一回り小さい島です。形がハートやりんごの形に似ていてアップルアイランドという別名で親しまれています。タスマニア島は、地球の同じ緯度上に温室効果ガスを排出する大陸や島がなく、世界中で一番環境汚染がすくなく空気のきれいな地域として知られています。国連のWMO(世界気象機関)とオーストラリア連邦政府気象観測局の観測地点がタスマニア島北西部グリム岬にあり、ここを基準に世界各地の大気汚染の状況が計測されます。
タスマニア島には豊かな雨が育む深い森や氷河が造った無数の湖など手つかずの自然が多く存在しています。18の国立公園があり、島の面積の約2割、138万ヘクタールが世界遺産に指定されています。
実際にその地を訪れると空の青さに驚きます。きっと空気中の不純物や大気汚染が無いから、空の青さがダイレクトに映し出されているのでしょう。湖や川、海が鏡のようにその空色を受けた時、もうどちらが空でどちらが水面なのか分からないほどです。これも、水が澄み渡っているからなのでしょう。
ですから、タスマニアを色で表すと、青と緑。
緑は地球の最も古い姿を今でも残す原生林。世界最古の森は1億3千万年前のゴンドワナ大陸からの生き残り。樹齢1000年にもなる木々や高さ60m以上もの大木、恐竜がそばにいてもおかしくないような、シダが茂った深い森。
(英国BBC放送の「恐竜物語」の撮影に使われた、リッフィーフォール(滝)に向かう途中 シダの生い茂った森)
時を超え、地球の長い営みに思いを寄せてみることが出来ます。
(樹齢400年 高さ60MのBig Tree と 数年前に倒れた高さ70Mの大木の上を歩く子ども達)
また、タスマニアにしか生息しない、タスマニアンデビルをはじめ、オーストラリア固有の有袋類(お腹に袋をもった動物)をあちこちで見ることができます。
カンガルーやワラビーが跳ね回り、優しい目をしたウオンバットがこちらを見ていたり、夜になるとポッサムがロッジの窓際に遊びにきたり。
(カンガルーの尻尾を噛みちぎるタスマニアンデビル トロワナ・ワイルドライフパークにて)
(走行中に出会った野生のハリモグラとウォンバット)
6500万年前恐竜が絶滅し、5000万年前オーストラリアが南極と離れ、1万年前に最後の氷河期が終わり海面が上昇し、8000年前にタスマニア島は本土と切り離さました。
こうして、独自の進化をたどりながら、タスマニア固有の植物、動物が今も生き伸びています。
(養蜂家を訪れる際に宿泊した港町 スタンレイとそびえたつ岩山 The Nut)
(鉱山の町で栄えたクイーンズタウンを出発し、蒸気機関車にのって、鬱蒼とした森の中を観光)